おしらせ

新しい酒米・三重酒18号、伊賀の地で誕生。

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  三重酒18号!?これはお酒の名前ではありません。三重県で開発中のお米の開発コード。正式な名前が決まるまでの仮の名前です。

 日本酒の原料はお米。美味しいお酒は、酒米といわれる、特に酒造りに適した専用のお米を使って醸されます。三重県では、現在、県産の酒米の開発に取り組んでいて、その現場が伊賀の地にあります。

 この三重酒18号の育種に取り組んでいるのは、三重県科学技術振興センターの伊賀農業研究室。伊賀市森寺に広がる田圃の傍ら、小高い山の中腹にあります。ここでは、稲、麦、大豆、ブドウの栽培研究、そして、水稲の原種種子の生産を行っています。この研究施設の歴史は大変古く、大正11年、当時の小田村に設立され、平成4年より現在の森寺に移転しました。

 伊賀は、古くから良質米の産地として知られていますが、県内で生産される酒米のほとんどが栽培されていて、酒米の産地でもあります。中でも、酒米の王様と呼ばれ、その品質が最高位にランクされる山田錦が、完全契約栽培で生産され、20年前から“三重山田錦”というブランドをつくり、その栽培と品質の向上に取り組んでいます。しかしながら、三重県独自の酒米がなく、オリジナルの酒米の開発は、酒造メーカーをはじめ、関係者の長年の夢でした。

 三重酒18号の開発は、平成8年に始まり、昨年、ようやく試験醸造にまで漕ぎ着きました。今年は9戸の生産者の手で栽培され、現在、順調に生育し、収穫後、県内の数社の酒造メーカーで、本格的に醸造が開始されます。そして、三重酒18号には、今年中に正式な名前が付けられる予定で、来春、このお米で醸されたお酒がお披露目になります。

 伊賀で誕生したお米100%使用し、伊賀の地で醸されたお酒。生粋の伊賀酒が口にできる日も間近です。

 (ぶんと通信53号/2007年8月15日発行より) 

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