おしらせ

-80℃の深い眠りから・・・。


まいど!!おおきに、コエビスでございます。

若戎酒造には、関係者もなかなか入ることが出来ない秘密の部屋があります。
それは、酵母の培養室。まるで学校の理科室のようです。
12月17日、その部屋で、立春朝搾りに使用する酵母の培養が始まりました。

コエビス 「今日の予定は“酵母の培養”だそうですが、“酵母”って何ですか!?」

溝畑課長 「日本酒はアルコールを含んだ飲み物ですが、そのアルコールをつくってくれるとても小さな生き物のことです。いわば醗酵の主役ですね。今日は、その休ませていた酵母に糖分をあげて元気に育つように起こしてあげて、育てて増やしていきます。」

コエビス 「ところで、酵母はどんなふうにお休みしていたのですか?」

溝畑課長 「-80度の冷凍庫の中で、凍結して眠らせておきます。」

コエビス 「-80度!?凍結させても生きているなんて、酵母ってスゴイですね。その酵母を起こしてあげるときに、注意することや苦労することはどんなところですか?」

溝畑課長 「雑菌の混入がないように、使用器具、手指、その他まわりの環境にまで気を遣っています。酵母が元気になって、よいお酒ができるまで、毎回とても心配です。また、若戎は酵母の種類が多いので、選択するのに苦労します。」

コエビス 「お酒をつくる酵母って、1種類じゃないんですか!?」

溝畑課長 「お酒をつくる酵母は、数え切れないくらいあります。日本酒をつくるのは清酒酵母といいますが、ビールやワインをつくる酵母もあります。若戎ではこれまで68種類使用してきて、現在は40種類程保存しています。」

コエビス 「どうしてそんなに種類をもっているんですか?」

溝畑課長 「お酒は、使用する酵母によってものすごく変わるんです。味、香り、キレ、辛い、甘いなどなど…。目的にあった酵母をその性質を活かして使ってあげることで、若戎の味が造られていくんです。]

コエビス 「酵母の種類によって、お酒の味がとても変わるんですね。そしたら、今回の立春朝搾りには、どんな酵母を使うんですか?」

溝畑課長 「香りは穏やかで控えめですが、優しい旨味、味わいを醸しだしてくれるタイプ、若戎67号酵母を使います。」

コエビス 「今年も若戎67号酵母が活躍してくれるといいですね。今日も、ありがとうございました。」

-80度の冷凍庫の中で、静かに眠って活躍のときを待っている、小さな醗酵の主役、酵母。そんな目に見えない小さな生き物が、お酒の味や香りを大きく左右するなんて、生命の神秘を感じます。

次回は、酵母の拡大培養です。
伊賀青山は、今朝、この冬一番の冷え込み。水溜りは綺麗に氷が張っていました。
週末はますます寒くなるそうです。皆様、風邪などひかれませんように。

 

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