おしらせ

溝畑利行(製造課長)より、『 純米酒 若戎愛農 』 誕生に寄せて。

 
溝畑利行 (若戎酒造・製造課長)


 愛農学園の生徒のみなさんが大切に育ててくださった「愛農米」を、多くの方々に喜んでいただけるお酒になるようにと、力を合わせて取り組みました。初めての試みで、どのようなお酒ができるのか、造り手として、不安と期待がありましたが、搾れたお酒は、予想していた以上に綺麗で、旨味のある優しいお酒に仕上がりました。

 製造工程では、特に麹造りに苦労しました。飯米での麹造りは難しいと聞いていましたので、その前段階である原料処理、洗米や浸漬から慎重に行いました。お米にどれくらい水を吸わせるかが、麹造りを大きく左右するのですが、大吟醸造りと同じように少量に分けて洗米して、目標通りに調整することができました。

 8月に行った貯蔵しているお酒の熟成の具合をみる“初呑切り”では、まだ若くて荒さも感じられましたが、その後、2ヶ月が経過し、お酒も随分と落ち着き、まとまってきました。このお酒は、冷やから燗まで、幅広くお楽しみいただけますが、これからの季節、お燗をして、ゆっくりじっくりと味わっていただければと思います。

 この度の企画で、ただ1つ残念なのは、お米を育ててくれた愛農学園の生徒のみなさんに、お酒の味をみていただけないこと。これからは、米作りや酒造りでお互いに交流を重ねて、また、応援していただけるお客様と一緒に、このお酒を育てていければ嬉しいです。


                  

2011年10月11日

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